埼玉県飯能市にある真言宗のお寺

多峯主山の麓に佇む小寺。

松林山善導寺(しょうりんざん ぜんどうじ)の歴史は古く観音堂に南北朝時代作の聖観音座像(飯能市指定文化財)が祀られており、縁日には草餅を振舞ったことから草餅観音とも呼ばれ、親しまれてきました。

明治時代の神仏分離策と修験寺廃寺策により廃寺となり観音堂のみが残されましたが、現在、松林山善導寺を維持してきた嶌田家の末裔である嶌田源弘住職がその観音堂を修復、再興しました。

かつての松林山善導寺は「高麗坂東三十三札所・武蔵観音堂11番寺」(新編武蔵風土紀稿より)として、江戸時代には多くの巡礼者がお参りに訪れていたようです。

観音堂の前には、巡礼の道標や、松林山21世三僧祇 法院 源光と記した供養塔(弘化三年建立)があり、建武2年と判読できる南北朝時代の青石塔婆も現存しています。小さな観音堂の中に入ると聖観音座像が鎮座し、古い歴史(開山時期は不明)を感じとることができます。